「あ、半藤さんおかえりなさい」
「おかえりなさい」
「お邪魔してます」
ちょ、なんでみんないるんですか!
どこから入ったんですか!どうやって入ったんですか!
「信夫さんもおかしなことを聞きますね、
鍵を開けて玄関から入ったに決まっているじゃありませんか」
合鍵なんか渡した覚えはありませんが?
「ええ、合鍵をいただけないので勝手に作らせていただきました」
ひいっ
「そんな些末な事どうでもいいじゃありませんか」
些末じゃありません、不法侵入です!
「そんな事より・・・信夫さんお誕生日おめでとうございます」
「「おめでとうございまーす」」
「信夫さんは幾つになられたのですか?」
「お姉さまも知らないのですか?」
「わたしも知りたいです」
えーと、あの、その・・・じゅ、じゅうななさいです
「まあっ」
「あらあら」
「わあっ」
「信夫さん年下だったのですね、じゃあ信夫さんじゃなく信夫クンね」
「ひとつ違いなんて一番つりあいが取れてるじゃないですか、ね、センパイ」
「それじゃあお兄様ですね、わたしお兄様が欲しかったんです」
「信夫クン、年上の言うことは聞かなくちゃ駄目ですよ、
ほら二人きりになれる所に行きますよ」
「先輩、わたしにお勉強とか色々な事を教えてください、
さあ私のお部屋に行きましょう」
「お兄様お兄様、わたしお兄様と一緒に遊園地に行きたいです」
ごめんなさい嘘です、じゅうななさいじゃありません
「えーっお兄様じゃないんですか」
「せっかくお勉強を教えてもらおうと思ったのに」
「やっぱり、なんでそんな嘘をつくんですか?」
だいたいオジサンに歳を聞くなんてマナー違反ですよ
「いいえ、信夫さんはおじさまではなく大人の方ですから
マナー違反ではありませんよ」
マナー違反ではありませんよ」
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